1/3
https://www.jcr.co.jp/
1 7 - I- 0 0 7 1
2 0 1 8年 3 月 1 日
株式会社日本格付研究所(JCR)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
ハンガリー
(証券コード:-)【据置】
外貨建長期発行体格付 BBB+
格付の見通し 安定的
自国通貨建長期発行体格付 A-
格付の見通し 安定的
ハンガリー国立銀行
(証券コード:-)【据置】
外貨建長期発行体格付 BBB+
格付の見通し 安定的
自国通貨建長期発行体格付 A-
格付の見通し 安定的
■格付事由
(1) ハンガリーの格付は、比較的発展し輸出指向が強い経済基盤、構造改革の進展、外的ショックに対する耐
性の改善などを主に評価している。他方、GDP 比では改善傾向にあるものの依然大きい対外債務や政府
債務などが格付の制約要因となっている。格付の見通しは安定的。政府の有効な経済政策の導入によって
脆弱な金融システム、低い雇用率、多額の政府や対外債務など構造問題が解消に向かっている。また、
EU 基金の活用、さらには財政・金融政策なども支援となって、足元経済は内需主導で拡大を続けている。
18 年 4 月に総選挙が予定されているが、財政赤字も抑制されている。今後の成長に向けて、引き締まる
労働需給の問題があるが、政府は潜在成長率の引き上げに向けた取り組みを強化している。次回総選挙で
も、フィデス・ハンガリー市民同盟が率いる現与党が議席の過半数を確保するのが濃厚であり、選挙後も
現状の政策が維持される。先行き外部環境に大きな変化がなければ、経済は緩やかな成長を続ける中、対
外債務、政府債務などがさらに縮小していくとみている。
(2) ハンガリー国立銀行の格付は、同国の中央銀行であるほか、全ての株式は政府が保有していることから、
ハンガリーの格付を反映している。
(3) ハンガリーは中東欧では、経済・人口ともに中規模ながら、16 年の一人当たり GDP(購買力平価)は約
2.7 万米ドルと、経済は比較的発展している。また、自動車や化学産業などを中心に輸出指向が強い経済
基盤である。17年の経済成長率は好調な個人消費や14~20年を対象としたEU基金からの資金流入増に
よる投資拡大により 16年の 2.2%から4.0%(速報値)まで加速したとみられる。17 年の失業率は4.2%
と過去最低を更新するなど労働需給が引き締まる中、最低賃金も引き上げられ雇用者所得は高い伸びを示
している。また、自動車関連産業の能力増強投資も引き続き行われており、輸出増とともに生産性の上昇
に寄与している。経常収支は内需拡大による輸入増から黒字幅が縮小しているものの、17 年も GDP 比
4%近い黒字を計上している。物価は17年には燃料価格の回復などから16年の0.4%から2.4%まで上昇
したが、最低賃金の引き上げの影響は限定的である。先行き経済は、EU 基金からの資金流入の縮小から
やや減速するものの、3%程度の成長を続けるとみている。
(4) 金融システムは大幅に改善している。15 年初に外貨建住宅貸出の殆どが自国通貨に転換され、銀行、家
計の為替リスクが大幅に低減した。銀行の貸出残高も中銀の中小企業向貸出促進策など政策効果が剥落す
る中でも増加を続けている。銀行の業績も貸倒引当金戻入などから 17 年は大幅な黒字を計上する見込み
2/3
https://www.jcr.co.jp/
する備えも十分である。対外債務は GDP 比では未だ大きいが、恒常的な経常収支の黒字や EU 基金から
の資金流入などから、銀行や政府を中心に債務削減を進めており、09年末のGDP比148%から17年9月
末には同90%を下回った。
(5) 一般政府財政赤字(ESA2010)は、12 年以降GDP比3%以内を堅持してきたが、17 年も政府目標をやや
下回り 2%程度に収まったとみられる。17 年は雇用者の社会保障負担の軽減、法人税率の引き下げ(EU
内で最低)、特定食品の付加価値税率引き下げ、さらには公共投資増などの選挙対策が導入されたものの、
経済拡大や物価上昇により歳入が増加した。政府は18年以降も財政赤字をGDP比で3%以内に抑える方
針である。18年予算では財政赤字を同 2.4%、不測の事態に対処するための準備金も計上されている。一
般政府債務残高(ESA2010)は11年末のGDP比80%から17年末には同72%前後まで縮小したとみられ
る。政府の Self-Financing Program の推進により、家計や銀行など国内市場を中心に自国通貨建で資金調
達してきたことから、非居住者や外貨の構成比が低下している。中央政府の債務のうち非居住者および外
貨建債務の構成は11年末のそれぞれ69%、49%から17年末には37%、22%と大幅に低下している。
(担当)内藤 寿彦・佐伯 春奈
■格付対象
発行体:ハンガリー (Hungary)
【据置】
対象 格付 見通し
外貨建長期発行体格付 BBB+ 安定的
自国通貨建長期発行体格付 A- 安定的
発行体:ハンガリー国立銀行 (National Bank of Hungary)
【据置】
対象 格付 見通し
外貨建長期発行体格付 BBB+ 安定的
3/3
https://www.jcr.co.jp/
格付提供方針に基づくその他開示事項
1. 信用格付を付与した年月日:2018年2月27日
2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:増田 篤
主任格付アナリスト:内藤 寿彦
3. 評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、JCR のホームページ(https://www.jcr.co.jp/)の「格付関連情報」に「信用格付の 種類と記号の定義」(2014年1月6日)として掲載している。
4. 信用格付の付与にかかる方法の概要:
本件信用格付の付与にかかる方法の概要は、JCR のホームページ(https://www.jcr.co.jp/)の「格付関連情報」に、 「ソブリン・準ソブリンの信用格付方法」(2014年11月7日)として掲載している。
5. 格付関係者:
(発行体・債務者等) ハンガリー(Hungary)
ハンガリー国立銀行(National Bank of Hungary)
6. 本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。 本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての JCR の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性 の程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するもので はない。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外 の事項は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。ま た、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、JCR が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入 手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・格付関係者が提供した監査済財務諸表
・格付関係者が提供した業績、経営方針などに関する資料および説明 ・格付関係者が提供した経済・財政運営方針などに関する資料および説明 ・経済・財政動向などに関し中立的な機関が公表した統計・報告
8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
JCR は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、 独立監査人による監査、発行体もしくは中立的な機関による対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、 当該方針が求める要件を満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。
9. JCRに対して直近1年以内に講じられた監督上の措置:なし
■留意事項
本文書に記載された情報は、JCRが、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また
はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCRは、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、
的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCRは、当該情報の誤り、遺漏、また
は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCRは、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、
金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因
のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、JCRの格付は意見の表明であ
って、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするも
のでもありません。JCRの格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として
発行体より手数料をいただいて行っております。JCRの格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、JCRが保有しています。JCRの格付データ
を含め、本文書の一部または全部を問わず、JCRに無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■NRSRO 登録状況
JCRは、米国証券取引委員会の定めるNRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating Organization)の5つの信用格付クラスのうち、以下の4クラス
に登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。米国証券取引委員会規則 17g-7(a)
項に基づく開示の対象となる場合、当該開示はJCRのホームページ(https://www.jcr.co.jp/en/)に掲載されるニュースリリースに添付しています。
■本件に関するお問い合わせ先